住友金属鉱山が開発した「リチウム生産の新技術」に 世界が震えた!
みなさんこんにちは!
あらゆるものが電動化する中で
バッテリーの重要性がさらに高まっています。
そのためバッテリーの材料確保も重要課題となって おり、中でもリチウムの確保は大きな課題です。
世界各国が脱炭素化の実現を目指す中、 その需要は高まり、価格も上昇し続けています。
リチウムはその色と希少性から 「白いダイヤモンド」とも呼ばれ、
産地もかなり偏在していることから、 国家的な争奪戦に発展しつつあります。
“2020年の年間世界総生産量は約82500トンですが、 ”
オーストラリア・チリ・中国の生産上位3か国で世界 全体の年間リチウム生産量の約90%を占めるという
統計データも公表されています。
これらの国から輸入できなくなると、日本は リチウムを入手できなくなる可能性も考えられます。
電動化社会のためにもリチウムの安定確保、 さらにリチウムの生産技術の向上は
欠かせない社会的要求となっています。
その中で住友金属鉱山が開発した
「リチウム生産の新技術」が注目を集めています。
この動画では世界的なリチウム市場や リチウムの生産方法、
そして住友金属鉱山が開発した
「リチウム生産の新技術」についてお話しします。
動画の最後では「安価なリチウムイオン電池」が 登場するかもしれない!?
というテーマをお話ししていきますので、 ぜひ最後までご覧ください!
リチウム市場では中国の存在が目立ちます。
リチウムイオン電池の製造は、 もともと東アジアが中心でしたが、
2000年代前半から東アジアの中でも 中国に徐々に重心が動いて行きました。
中国は、世界のリチウムサプライチェーンにおいて 川上から川下まで重要な位置を占めており、
2021年にはバッテリーセル製造の 約80%を占めるまでになっています。
リチウムの生産量では中国が
生産量の13%を占めて世界第3位、
さらに鉱石からリチウムを取り出す精錬工程では 58%を占めています。
つまり市場のリチウムイオンバッテリーの多くは、
何かしらの形で中国が関与している ということになります。
歴史的に見れば、戦後は長くアメリカが
世界最大の生産国でしたが、
安い労働コストで中国などが台頭すると、アメリカの 国内生産は衰退し、現在の中国台頭につながりました。
近年では、リチウムイオンバッテリーの重要性が増し、
中国国内での需要の高まりを受けて、
自国でリチウムを使うために輸出を制限する 動きを見せています。
2010年、尖閣諸島での中国漁船衝突事件に 端を発した日中関係の悪化を背景に、
中国はレアアースの対日禁輸措置を 講じたことがあります。
この事件は政治的な問題に端を発していますが、
希少資源の輸出を禁止することが日本に有効な 外交カードになることを示す結果となりました。
中国政府は、2021年に新たに 「レアアース管理条例」を発表し、
これに基づいてレアアースの取引規制を 強めていく意向を示しています。
つまり日本にとって、現在のリチウム中国依存体制は 非常に危険なものであると言えます。
中国はリチウム市場を支配し、 政治的な問題が発生すれば、
リチウムを外交カードとして使う意志があるのです。
そもそもリチウムの生産方法には、 どういったものがあるのでしょうか?
リチウムの生産方法は
https://youtu.be/-kEGb8fNdkg
「塩湖から塩水を汲み上げて濃縮させた後に
炭酸リチウム精製を行う方法」 と、
「鉱床から鉱石を採掘する」方法に分けられます。
まず 「塩水から炭酸リチウム精製を行う方法」ですが、
原理的には塩湖や海水から リチウムの回収が可能です。
そのため日本国内でも海水からリチウムを 回収する技術が研究されているのです。
ただ、海水1リットル当たり
0.1~0.2ミリグラムと濃度が低く、
製造方法も太陽の熱を使って水分を蒸発させる方法 であるため時間がかかることが課題となっています。
「鉱床から鉱石を採掘する」方法は、現在の リチウム生産において主流とされている方法です。
リチウム鉱山は世界に偏在しており、
西オーストラリア州南西部にある
Greenbushes鉱山からの生産が大きなシェアを占め、
ブラジルやジンバブエ、
ポルトガルなどでも生産が行われています。
精製方法として鉱石からリチウムを取り出すためには、
粉砕、加熱、焙焼、硫酸浸出、精製など 多くの複雑な処理工程が必要です。
精製プロセスを比べると鉱石から
リチウムを回収する方が短時間で済みますが、
複雑なプロセスを必要とすることから
コスト高になると言われています。
ちなみにリチウムは地殻中で
25番目に多く存在する元素で、
「リチウム資源は本当に不足するのか?」という問いに 対する答えは「ノー」です。
リチウムの埋蔵量は豊富にあるのですが、それを
取り出す方法が技術的にも商業的にも課題と言えます。
住友金属鉱山は 「硫酸塩かん水」からリチウムを
分離・抽出する新しいタイプの吸着剤を開発しました!
この新技術により1年以上かかっていた製造期間を 1週間程度と大幅に短縮できることに加え、
純度の低い原材料からも高効率で リチウムを抽出できるとしています。
実はリチウム採掘ができる塩湖は
「塩化物かん水」 と 「硫酸塩かん水」がありますが、
現行、リチウム精製は
「塩化物かん水」から行われています。
リチウムの量が多いのは「硫酸塩かん水」ですが、 リチウムを抽出する技術が実用化されておらず、
「塩化物かん水」からしか
リチウムを取り出すことが出来なかったのです。
住友金属鉱山の新技術は、 抽出できなかった 「硫酸塩かん水」からリチウムを精製を可能にします。
この新技術によって時間も精製コストも
抑えることが出来るとされています!
この吸着剤の素晴らしい点は、 リチウムの精製に 掛かる時間を一気に短縮できるという点です。
塩湖での一般的なリチウム回収プロセスでは 水分を蒸発させる必要があり、
これに多くの時間を必要としていました。
開発した吸着剤を使うことで塩水から直接回収可能 で、水分を蒸発させるというプロセスが不要になります。
この新技術は抽出期間を1年から 1週間に短縮できるとしており、
現在の製法とは比べ物にならないくらい 短縮することが可能となります。
1年を1週間にするという、 まさに「革新的な新技術」 と言えます!
住友金属鉱山はこの技術を用いて、 南米でリチウム生産の塩湖の権益を確保し、
2028年にもリチウム生産を 開始することを発表しました。
これが上手くいけば、リチウムのコストダウンが
図れることは間違いありません。
またリチウムの安定供給が現実のものとなり、
現在の中国によるリチウム支配からの 脱却も可能になります。
EVをはじめ、リチウムイオンバッテリーの需要が さらに高まることは確実であり、
リチウムを安定供給できれば、日本だけでなく 西側諸国にとっても絶大な経済効果をもたらします。
政治的にも中国はリチウムという 外交カードを失うことになります。
私たちユーザーにとっても、例えばリチウムの 薬剤コストが10分の1になることで、
当然製品価格も抑えられ、
嬉しい効果をもたらすことでしょう。
EVの車体価格の高騰が大きな問題となっていますが、 リチウムのコストダウンが価格低下に大きく貢献します。
今回、 住友金属鉱山が開発した
「リチウム生産の新技術」は
リチウムをめぐる争奪戦の姿を
大きく変える可能性を秘めています。
私たちもリチウム生産、リチウムイオンバッテリーを
めぐる動きに注目していきたいところです!
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いろんな素材や技術も選択肢は多い方が良い!常に進化を日本企業に期待してます!